受け口は早期発見が鍵!

「うちの孫が受け口なんやけど、治るかな?」
受付でおばあちゃんから相談がありました。
こんなふうに、ご家族がお子さんの歯列不正に気づいてくださることは、とてもありがたいことです。
その中でも特に、受け口は特に早期発見、早期診断が、その後の治療に大きな影響を及ぼします。
今回は、受け口について詳しくお話ししていきます。

受け口ってどんな歯列不正?

受け口は、反対咬合(はんたいこうごう)という、上あごの連続する3本以上の前歯の噛み合わせが逆になっている状態をいいます。

受け口になると、上下の前歯がかみ合わないため、うどんを噛み切るなど前歯で食べ物を噛み切ることができません。前歯が使えなくなることから、上あごに刺激が伝わらず、歯の隙間が足らなくなりガタガタの叢生(乱杭歯)になる可能性も高くなります。

顔貌は、中顔面の未発達(頬骨が低い)で三日月状の横顔となり、本来の「いいかお」になりません。

受け口は、歯並びだけでなく食生活や容姿にまで悪影響を及ぼす歯列不正なのです。

受け口の原因は?

受け口の原因は、大きく ①機能性 ②歯性 ③骨格性 ④それらの混合 の4つに分けられます。

①機能性とは、筋肉の悪癖が原因の症状です。例えば下あごを前に突き出す癖や、お口をぽかんと開けて低舌位になっていることが挙げられます。

②歯性とは、上前歯が内側に倒れたり下前歯が外向きに生えたりして、受け口になっている状態です。

③骨格性とは、受け口の状態で第2次成長を迎え、下あごが過成長してしまった状態です。

よく、受け口は遺伝だから仕方がない、という話も耳にしますが、決してそうではない場合もあるということを知っておいていただきたいです。ご相談のおばあちゃんは受け口ではありませんでした。

なぜ早期発見が必要なの?

上記の原因の中で、①機能性は、原因となっている癖を直せば受け口も治る場合が多いのです。歯が生え変わる前の乳歯列期のお子さんは、機能性である場合が多いです。

ところがその状態で放置し、10歳くらい、第2次成長を過ぎて③骨格性の状態になると、すでに骨格が完成しているため大掛かりな外科治療が必要となります。

そうなる前に上下前歯の被蓋(かぶさり)をつくり、下顎の過成長を止めることが重要になってきます。

このように受け口は、原因に対するアプローチが大切になってきます。

受け口が他の歯列不正に比べて早期発見が必要な理由はここにあります。

気づくのが早ければ早いほど、軽い治療で治る可能性が高くなる。早期発見で診査診断の結果、矯正治療なしでおうち予防ですむというのが一番ですね。

受け口の割合は?

では受け口は、歯列不正の中でどのような位置付けになっているでしょうか。

じつは歯列不正の中では割合は一番少なく、統計では幼児の反対咬合発症率は16.2%、12歳では2.4%まで減少すると言われています。

自然に治る確率も高いのですが、50人に1人は治らず重篤化するケースがあるため、気づいたら必ず、早急に歯科医院で診査診断してもらうことが大切です。

このように受け口の矯正治療は、ほかの歯列不正に比べて早期発見、早期診断が鍵となります。

そしてどんな歯列不正も、当院では「様子を見ましょう」はありません。少しでも早く診断を受けることが大切です。

そしてお子さんの本来の「いいかお」をつくるためには、ご家庭での気づきが頼りです。

毎日の暮らしの中で、お子さんのお口の中を覗く機会を持っていただくことで、ひとりでも多くの「いいかお」が育つことを願っています。

 

YouTubeでもご覧ください。

https://youtu.be/WilozMSnr84?si=cdIPw7GdLwl1WOIo

 

柳原歯科医院
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