「開窓(カイソウ)」って知っていますか?

本来生えてくるべき永久歯が、待っても待ってもなかなか生えてこない、そんなご相談をよくお受けします。
永久歯が生えてこない原因は様々ですが、中でも歯がちゃんとあるのに歯茎に埋まって生えてこないというケースがあります。
歯茎が固くて歯が出られない場合、いつまでたっても永久歯は生えてきません。
そんな時に、歯が生えるよう促す処置を「開窓」と言います。
今回は「開窓」についてのお話です。

「開窓」ってどんな処置?

「開窓」は、歯茎に埋まった歯が生えるのを促す処置ですが、歯科専門用語ですので皆さんには聞き慣れない言葉だと思います。

まずは「開窓」に至るまでの経緯をご説明します。

通常、歯の生え変わりは、乳歯の下に控えている永久歯が乳歯の根っこを溶かしていきます。それによって乳歯が自然に抜け、永久歯が生えてきます。

ですが、例えば怪我などで乳歯が早期に抜けてしまったりすると、通常より歯茎が固く締まってしまいます。

そしてようやく永久歯が生えてくる時期になって、生えようとしても、歯茎が固くて歯が出てこれないということになります。

こういう場合、いつまで待っても自然に永久歯が生えてくることはありません。

そこで、固い歯茎をレーザーで切開し、歯が生えてきやすいよう促すのが「開窓」です。

(下図参照)

「開窓」するタイミングは?

ではどんなタイミングで「開窓」するのでしょうか。

人間の歯には、歯牙年齢というものがあります。それぞれの乳歯、そして永久歯が生えてくる時期を表したものです。

その歯牙年齢を大幅に越えても永久歯が生えてこない時、また、左右のどちらかだけなかなか生えてこない、という場合はその原因を突き止めなければなりません。

まずはレントゲン撮影をします。それによって、歯があるにもかかわらずこのままでは生えてこない、あるいは正しい位置に生えてこないと判断した場合、「開窓」となります。

歯牙年齢はあくまでも目安ですが、歯の生える時期を測るには有効です。

「開窓」したあとはどうなるの?

「開窓」すればもう安心、というわけではありません。

歯茎を切開する処置をした後は、歯が出るまでの経過観察が必要です。

そして正しい位置に、正しい向きで生えるよう改善を加えながら、正常に生え揃うことがゴールです。

「開窓」が不安な保護者の方へ

「開窓」を告げますと、たいていの保護者の方は驚かれます。そしてとても不安そうにされます。

分かります、だって歯茎を切開するなんて、大人でも怖いですよね。

「開窓」は外科手術です。ですが麻酔もしますし、レーザーメスでの切開は出血も少なく安全な処置です。

怖いからと言って、そのまま永久歯が生えてこない状態で放置する方が、将来的に歯並びにも悪影響を及ぼすと考えます。

お子さんになるべく負担をかけたくない親御さんのお気持ちはよく分かります。

ですが「開窓」は、決して絶望的な処置ではありません。むしろ、このままだと生えてこない永久歯を生えてくるように手助けする、前向きな処置だとお考えください。

もし不安なことがありましたらいつでもお尋ねください。受付の方でも詳しくご説明しています。

十分にご理解をいただいて、安心して処置を受けていただきたいと思います。

 

YouTubeでもご覧ください。

https://youtu.be/70xolSR8_hU?si=UqElkG1MQPkT02Su

 

柳原歯科医院
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