むし歯になると、削って詰めたり被せ物をしたり、という治療が不可欠だと思っていらっしゃる人が多いのですが、実はむし歯の全てが治療対象というわけではありません。
そう、治療しなくていいむし歯、というのがあるんです。
今回は「初期むし歯」についてのお話です。
歯科健診の季節になると、休診日も大忙しです。
保育園や小学校に出向いての健診、その他1歳半、3歳半、後期高齢者や妊婦健診、歯周病検診なども含めると、年がら年中健診をしていることになります。まぁ歯医者なので当然なのですが笑。
ところで健診でむし歯と診断しながら、治療をしないむし歯=「初期むし歯」というのがあります。
よく健診で、「C1」とか「C2」とか聞かれると思いますが、Cはカリエス(むし歯)を意味する頭文字です。
そして横の数字は、数が大きくなればなるほどむし歯が深いということになります。
その中でも、「Co」(カリエス・オブザベーション)と言われる初期むし歯は、歯に穴が開く一歩手前の、治療が必要ではないむし歯なのです。
このようにむし歯には「Co」〜「C4」の5段階あって、「Co」つまり初期むし歯は経過観察ですぐに治療は行いません。
なぜなら、治療のためといえ、歯は一度削ってしまうと二度と元には戻らないからです。
かといって、初期むし歯はそのまま放置しても良い、ということではありません。
なぜなら初期むし歯は、そのままむし歯に進行するか、元の健康な歯に戻るかの分かれ目にいるからです。
初期むし歯と診断されたら、医院でのプロによるケアと、自宅ケアとの徹底的予防が必要となりますが、まずは生活習慣の見直しが必須となります。
なかなか大変なことなのですが、それでも予防を強化、徹底することで、歯が健全な元の歯に戻るのであれば、これほどありがたいことはないと思いませんか?
そうです。
生活習慣を改善し、医院でのプロケアと自宅でのケアを徹底し予防すれば、初期むし歯は元の健全な歯に戻るのです。
よく、むし歯になっても削って詰めて治療すればいいとお考えの方もいらっしゃいますが、一度むし歯になった歯は二度と元には戻らない、ということを覚えていてほしいのです。
歯は、たとえ治療であってもできるだけ触らない方がいいのです。
初期むし歯は、元の歯に戻ることができる最後のチャンスなのです。
そのための生活習慣の見直しと改善のお話は、次回詳しくしたいと思います。
これからまた、健診に行かなくてはいけませんので!
(後編に続きます)
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