前回は、治療しないむし歯「初期むし歯」のお話でした。
初期むし歯は徹底した予防で元の健康な歯に戻すことができる、とお話ししましたが、もう少し初期むし歯について、お話ししたいと思います。
そして徹底した予防の具体的な方法もお伝えします。
歯に穴が開く一歩手前の初期むし歯、自分で見つけられるの?って思いますよね。
一度鏡を見てみてください。
前歯なら、皆さんでも見つけられるかもしれません。
初期むし歯は、歯の表面が白く濁って、透明感がない状態です。
わたしたち歯科医師であれば奥歯でも見分けがつきますが、痛みがないので一般の方には見つけにくいかもしれません。
初期むし歯はむし歯の一歩手前ですので、むし歯になりやすいところに初期むし歯は見つかることが多いです。
例えば歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯の溝の部分などがそうです。
初期むし歯は治療はしませんが、もしそのまま放置して同じ生活を続けていると、どんどんむし歯は進行してしまいます。
どうすれば、元の健全な歯に戻すことができるでしょう。
初期むし歯を元の健全な歯に戻すには、まずはこれまでの生活習慣を見直し、改善することが重要です。
具体的な方法として、食生活の見直し、例えばだらだら食いをしない、間食はできるだけ甘いものを控える、寝る前には食べない、などです。
つまりお口の中を、むし歯になりやすい状態にしないということです。
そして食事はよく噛んで食べること。噛むことで唾液の分泌が促進されます。
規則正しい食事が予防につながる第一歩なのです。
そして予防強化として欠かせないのが、自宅でのケアと歯科医院でのプロによるケアです。
まずは自宅でできることとして、丁寧な歯磨きに始まり、フロスや歯間ブラシで歯の汚れを取り除くことです。
ですがそれだけでは不十分です。
自宅でのケアでは取り除けない歯石やプラークなどが蓄積したヨゴレの膜、バイオフィルムを除去するための、プロによるクリーニングとメンテナンスが必要です。
さらにフッ化物を塗布することも重要です。
これら生活習慣の改善と、自宅ケア、プロケアで予防を徹底的に強化すれば、初期むし歯を元の健全な歯に戻すことが可能です。
ですがそれで安心していてはいけません。
そもそもむし歯になるということは、その原因となるむし歯菌がお口の中に常在菌としているということ、完全にお口の中から追い出すことは不可能なのです。
一度でもむし歯になると、お口に中にいる細菌と共存していかなければなりません。
だから少しでも、お口の中の細菌が増えないように、予防を強化することが大切です。
予防によって初期むし歯が改善されているかどうかは、唾液検査やレーザーでの測定により、数値で判定できます。
少しでも細菌の住みにくい環境を継続すること、これがむし歯になるリスクを減らすことにつながります。
初期むし歯と診断されたら、放置せず予防を徹底的に強化して、むし歯になりにくいお口の環境を維持していきましょう。
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