夏は水分補給のために冷たい飲み物を飲む機会が多くなります。
特に運動部のお子さんは、熱中症対策のため、お茶だけでなくスポーツドリンクを飲むことも多いでしょう。
今回は、そんな飲み物による歯の疾患、酸蝕症(さんしょくしょう)、別名「部活う蝕」のお話です。
別名「部活う蝕」と言われる酸蝕症、あまり聞いたことがないかもしれませんね。
「う蝕」とは、むし歯のことです。
じゃあ「部活う蝕」って? 部活とむし歯に何の関係が??と思われますよね。
部活の熱中症対策として、お茶だけでなくスポーツドリンクが推奨されるようになって、ペットボトル飲料の需要が増加しました。
缶や瓶と違って、蓋のついたペットボトルは、飲みきらずいつでも口にすることができます。
いわゆるダラダラ飲みが可能になったことで、常にお口の中が酸性になり、酸蝕症が増えているのです。
それで、酸蝕症=「部活う蝕」と呼ばれるようになりました。
スポーツドリンクだけでなく、「部活う蝕」になりやすい飲み物があります。
酸性度の高い飲み物、例えばコーラはレモンと同じくらいの酸性度ですし、500mlのペットボトルなら角砂糖17個分の糖分が含まれています。
また、健康に良いとされる黒酢ドリンクも超酸性、ちなみにスポーツドリンクは、乳酸飲料や炭酸飲料よりも酸性度が高いのです。
下の表をご覧ください。
酸性度を測るph値が5.5より少なくなると、エナメル質が溶けやすくなるのです。
このように、酸性度の高い飲料がペットボトルで手軽に飲めるようになって、酸と歯が長時間触れ合っているとどうなるでしょう。
歯が溶け、エナメル質が薄くなり、やがてむし歯になってしまいます。
また、溶けて柔らかくなった歯は、アスリートの食いしばりによって、削れてもろくなります。
もろくなった歯は割れやすくなり、そうなると取り返しがつきませんね。
「部活う蝕」は、酸が触れた歯面全て、被害が広範囲に渡るので、トラブルも複合的になり、ある意味むし歯よりも厄介だと言えます。
酸性飲料や食物を摂取する時は、摂取後すぐに必ず水やお茶を飲んで中和していただきたいです。
まだまだ暑い日が続きますので、熱中症にも気をつけながら、酸蝕症にならないように水分補給してください。
YouTubeでもご覧ください。
https://youtu.be/5WxWBjEwops?si=WMPILMppMOvTZv4v
柳原歯科医院
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